2017年2月2日木曜日

会津圏域重症心身障がい児実態調査報告会


 



 最近、平成28年度会津圏域重症心身障がい児実態調査報告会という集まりに参加してきました。
 昨年8月から2カ月間をかけて、会津地域に住んでいる重症心身障がい児の生活状況の実態を把握し、必要なサービスと課題を洗い出すために調査が行われていました。
当事業所も調査に協力しています。
当事業所以外に、会津保健福祉事務所、会津圏域内の障害児に支援を行う事業所と相談支援事業所で訪問調査を行ってきました。

 対象となる障害のある子ども達は、身体障害者手帳と知的障害者手帳を合わせて取得している子どもとなっていたので、50名未満。調査に協力してくださったご家庭は、半分くらいのご家庭でした。
訪問調査ということで、ご協力していただいたご本人、ご家族の方、お忙しい中、本当にありがとうございました。

 医療的ケアの問題、通所事業所の数や移動の問題、ショートステイ等のサービスの利用の問題等、いろいろな意見を聞かせていただくことができました。
 一方で、調査に協力しないことを選んだご家庭は、協力しないことを選んだ理由は何なのか、本当は何か伝えたいことがあったのではないか等、気になるところでもあります。ご家庭の事情等があるとは思いますが、日々感じていることを表に表せなかったご家庭にこそ、会津圏域内の課題はあるのではないかという思いも浮かびます。

 さて、会津圏域に足りないものは、通所事業所、ショートステイの事業所ということもやはり見えてきました。そして、何よりも課題は、相談支援が機能してないということでした。
 障害児をもつご家庭、特に母親は、毎日を送ることが精一杯で、余裕がないのかもしれません。そうであるがゆえに、課題があっても出せない状況、課題に気づいていない状況ではないか。
 そこで、その子の今、これからを一緒に考えていく、母親が子どものことを安心して話すことができる相談支援、それを語れる相談員が必要なんだろうと思います。
 そして、その子、親の思いを事業所や関係機関に伝えていく相談支援の役割がなっていないことがわかりました。
障害のある子どもの支援の場合、本人への支援ももちろん必要ですが、家族への支援という視点も忘れられません。
家族の支援をしていくことによって、めぐりめぐって子ども暮らしの支援になっていく。

 それぞれの暮らしの中にある、個別のニーズを仲介する役割を忘れないようにしようと思います。制度や支援の利用を通して何を求めているか、何を求めて制度や支援を利用するのか。「何を」は子ども一人ひとり、親によって違います。子ども、親が制度や支援というツールを使って、どのような暮らしにしていきたいのか、その先のにはどのような生活を描くのか、これらを聞き取り、伝えていける相談支援を行っていきたいと思います。

 重度心身障害のある子どもや大人の方はどのくらいいらっしゃるのかというと、聞いたところでは人口の0.03%と言われています。
喜多方市の人口が約48,000人なので、市内の約15人には重度の心身障害があるということになります。
その子の状態によっては、外出が難しい場合もありますが、日ごろ、彼らを見かける機会は少ないと思います。
 家族は、周りの視線を気にして一緒に外出することをためらうことになったり、肩身の狭い思いをすることが多いようです。子どもも家族も社会参加の機会が減ってしまっているのです。
 彼らも重い障害があっても一人の市民として、人として毎日を送っていて、彼らの生活を支える家族がいて、みんなと同じように暮らしていることを少しでも多くの人に知ってもらいたいと思っています。
 そして、彼らを町の中で見かけた時も、温かい眼差しで見守ってほしいと思います。彼らが当たり前のように出かけられる、そんな地域、社会になってほしいと思っています。